Q&A

皆様からお寄せ頂いたお便りの中から良くある質問を掲載していきます。


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Q:アトピー性皮膚炎の治療について教えてください
A:  他のアレルギー性疾患である気管支喘息やアレルギー性鼻炎と同様に、アトピー性皮膚炎の乳幼児・学童も増加傾向にあります。まず、本当にアトピー性皮膚炎なのか、そして、どの程度の重症度なのかを診断することが大切です。
 現在、アトピー性皮膚炎の治療は3本の柱から成り、第1に、その原因・悪化要因を検索してできるだけ除去すること、第2にスキンケアとして皮膚の清潔と皮膚の保湿に努めること、そして第3に薬物療法として外用薬や内服薬を用いることです。悪化要因や重症度は個人によって異なりますから、その治療法も各人に適切なものを選択していくようになります。

Q:来年度から麻疹と風疹の予防接種はどのように変わるのですか?
A:  平成18年4月1日から定期の予防接種が大きく変わります。麻疹と風疹を、混合ワクチンを用いて1回の接種で行います。さらに、数年後に同じく混合ワクチンの2回目の接種を行います。接種の年齢は、1回目の接種を満1歳から2歳未満に行い、2回目の接種を小学校入学前の1年間に行います。
 従って、平成18年3月31日までに、麻疹も風疹も予防接種を済ませるか、直前に満1歳になる人は、麻疹あるいは風疹の単独の予防接種を行うことを見合わせ、4月1日以降に麻疹と風疹の混合ワクチンを接種するようにしましょう。こうした移行期は、解かりづらく混乱しますので、どの予防接種をいつ受ければよいのか、遠慮なくお尋ねください。

Q:手足口病に罹ったら幼稚園を休ませなければなりませんか?
A:  手足口病は、ヘルパンギーナやプール熱とともに、代表的なウイルス性の夏風邪です。春〜夏にかけて主に乳幼児の間で流行します。コクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71が原因ウイルスで、手のひらや足の裏に小さな硬い水泡を生じ、口の中に口内炎が多発します。大腿部や膝、お尻にも発疹が出たり、38℃前後の発熱が2〜3日続くこともあります。
 特効薬はありませんが、水分をこまめに摂取して、やわらかくて口内炎にしみないような食物で栄養を摂るようにしましょう。通常は数日間で症状は軽快しますが、稀に髄膜炎を合併するときがありますので、高熱、頭痛、嘔吐を認める場合や、口内痛のために水分も全く摂取できない場合は、速やかに医療機関を受診してください。
 手足口病は、必ずしも伝染病として学校や幼稚園を出席停止しなければならない疾病ではありません。本人が食欲も元気もあるようでしたら、登園・登校しても構いませんが、前述のような合併症もありますので、少なくとも2〜3日は発熱や頭痛、口内痛の有無に留意し、自宅で安静にしていた方が無難でしょう。

Q:保育園で、とびひのようですが、と言われましたが。。。
A:  俗にいう「とびひ」は、伝染性膿痂疹のことです。皮膚の掻き傷や擦り傷から黄色ブドウ球菌や化膿性レンサ球菌が感染して生じます。四肢、体幹、顔面に、強い痒みを伴う水疱ができ、それが破れてジクジクしたり、かさぶたを形成したりします。破れた水泡内の滲出液に接触すると、次々伝染して新しい病巣を形成します。
 治療には、原因菌に対して有効な抗生物質の内服薬や外用薬等を使用します。家庭で注意することとしては、病巣が拡大しないように、入浴やシャワーで皮膚を清潔に保つこと、患部を掻かないこと、爪切り・手洗いを励行することです。また、兄弟間で移らないように、タオルは共用しないようにしましょう。
 学校や幼稚園ではプールがあります。「とびひ」がありますと、他の子供たちに移す可能性があり、プールに入れません。楽しいプールの時間が見学にならないように、早目に治療しておきましょう。

Q:小学校に入学後もおねしょが治らず心配です。。
A:  小学校入学後もおねしょが続いていると、親御さんは「うちの子だけかしら・・・」と、どうしても心配になります。しかし、小学校低学年では、毎日する子、たまにする子とも結構いますし、小学校高学年まで続く子も珍しくありません。しかし、先天的な脊髄や尿路の病気や、特殊な内分泌疾患がなければ、おねしょは必ず治りますので、まずは親御さんが焦らないで欲しいと思います。
 夜尿の原因は、夜間に尿量を少なくさせる抗利尿ホルモン分泌と、夜間に膀胱の容量を大きくする自律神経の発達が未熟である場合がほとんどです。この発達の仕方は遺伝的要素が大きく、個人差があります。これらの発達を促すには夜間にたっぷり熟睡することが大事ですから、睡眠途中に無理に起こしてはいけません。就寝前に水分を控えることも必要です。
 「あせらず、起こさず、怒らず」これが昔からの、夜尿の治療の3原則です。

Q:胃腸炎のときの食事はどうすればよいですか?
A:  毎年、冬から春にかけてノロウイルスやロタウイルスによる感染性の胃腸炎が流行します。胃腸炎の主な症状は下痢と吐気・嘔吐ですが、高熱を伴うこともあります。
 吐気が強くて顔色も青白い時期には、絶飲食とし、身体の安静と保温に努めます。通常、数時間で吐気は軽減し、顔色も戻ってきますので、まず少量の湯冷ましや番茶、スープ等をこまめに摂取させてください。吐気が消失したら、温かくて消化のよい食べ物―重湯・お粥、うどん等の炭水化物を多く含むもの―から食事を始めましょう。吐気は1〜2日で軽快することが多いですが、下痢はその後も数日間は続きます。下痢の性状をみながら、冷たいもの、糖分・脂肪分の多いものは避けて、ゆっくり通常の食事内容に戻してください。
 しかし、嘔吐を繰り返してぐったりしたり、経口から水分も摂取できない場合は補液の必要がありますので、早目に医療機関を受診しましょう。


Q:小さい子供にも花粉症はあるのですか?
A:  春の暖かな陽射しを感じるようになると、いよいよスギ花粉のシーズンです。毎年、2〜4月に発症するスギ花粉症は、近年、急速に低年齢化が進み、乳幼児の発症者も稀ではありません。
 小児の場合も成人と同様に、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目の痒み・充血・流涙が主な症状ですが、乳幼児では、身体に発疹を伴うこともあります。季節ごとに繰り返される、これらの症状を認めたときは花粉症が疑われます。
 残念ながら現在のところ、花粉症の根治治療法は確立されていません。症状の重症度と年齢に応じて、薬物による対症治療が行われますが、治療内容や期間については、かかりつけ医とよく相談し、外出時にマスクや眼鏡で予防することも有効ですし、衣類や布団、洗濯物に付着した花粉をよく払い落として室内に持ち込まないことも大切です。

Q:インフルエンザが流行していますが、
  どのようなことに気をつければよいですか?
A:  インフルエンザの症状は、突然の悪寒・高熱、頭痛、筋肉痛や関節痛を認めることが多く、咳・鼻汁や胃腸症状を伴うこともあります。
 まず、インフルエンザかなと思ったら早目に医療機関を受診して検査をしてもらいましょう。現在、インフルエンザの特効薬がありますが、症状出現から48時間以内に服用し始めないと効果がないからです。そして安静のうえ、冷却や水分摂取に留意しましょう。発熱は、インフルエンザを不活性化しようと、身体が必要で出しているものですから、むやみに解熱剤で熱を下げようとしてはいけません。また、脳症の誘引になるため、使用してはいけない解熱剤がありますので、医師の指示に従ってください。
 通常は2〜3日で解熱することが多いようですが、登園や登校は、解熱後2日以上経ってからにしましょう。発熱が長引く時や、咳などの他の症状が増悪してくる時は、医療機関を再診してください。また、ひきつけを起こしたとき、有熱時に意識不明の言動があるとき、および顔色が青白く呼びかけに対して反応が鈍かったり、嘔吐を繰り返すようなときは、脳症へ進行する可能性がありますから、至急、医療機関を受診する必要があります。

Q:母親(母体)が風邪をひいたときの授乳方法は?
A:  発熱や倦怠感で身体がとても辛いときには無理に授乳しなくてもいいでしょう。授乳できる元気があるときには、むしろ積極的に授乳すべきです。なぜなら、お母さんと赤ちゃんが一緒にいる限りは、授乳の有無に関わらず風邪のウイルスはお母さんから赤ちゃんに感染しますし、このときに、お母さんの体内で作られ母乳中に分泌される抗体が、赤ちゃんの風邪の症状を軽減してくれる可能性があるからです。
 また、授乳中のお母さんの服薬については、一般的な風邪薬等は服用しても問題ありません。確かに、血液中から母乳へ薬剤は移行しますが、極めて微量であるため、赤ちゃんには影響ないからです。微量でも影響があるのは、向精神薬や抗がん剤・免疫抑制剤等の特殊な薬剤です。
お母さんが風邪をひいてしまったら、とにかく無理せず、ご家族の協力を得て、睡眠・休養、栄養をしっかりとり、お母さん自身の回復を第一に考えてください。

Q:寒い季節にかかる病気にはどのようなものがありますか?
A:  秋から冬となり、肌寒さが増してきますと、種々のウイルスによる呼吸器感染症が増えてきます。その中で、「クループ」と呼ばれる呼吸器感染症は、乳幼児に好発する声帯付近の喉頭の炎症で、軽い咳・鼻汁や発熱に引き続いて、犬が吠える様な「ケン、ケン、ゴン、ゴン」という咳、声のかすれ、息を吸うときのゼーゼーいう呼吸音を認めるのが特徴です。重症になると呼吸困難を生じますので、必ず医療機関で診断・処方を受けましょう。
 自宅では、できるだけ安静を保ち、喉の加湿に努めることも有効です。しかし、肩呼吸や肋骨間の陥没呼吸がみられたり、顔色が蒼白だったり、受け答えがはっきりしないような場合は、重症化して窒息するような危険性もありますから、夜間でも直ちに救急病院を受診し入院加療することが必要です。

Q:この時期の「水遊び」や「外出」で注意することはありますか?
A:  はい。6〜8月にかけては直射日光が強いため、皮膚の弱い乳幼児は、しばしば紫外線による皮膚炎や発熱を起こします。海やプールに長時間いることは避け、必ず、帽子・長袖を着用させてください。屋外では、水分をこまめに摂取することも大切です。
 また、乳幼児は充分な体温調節ができませんので、熱中症や低体温にもなり易いものです。海やプールの水に手足をつけるのは6〜7ヶ月を過ぎてから、水に体をつけるのは1歳半を過ぎてからにしましょう。1回の時間は5分程度までとして、子供さんから必ず目を離さないようにしましょう。また、自宅のビニールプールで遊ばせる場合には、転倒しても溺れないように水深は10cm程度にしておくことが無難です。

Q:こどもの「発熱」が心配です。
A:  発熱は、体の大切な防御反応の一つです。子供の発熱の原因の多くは、ウイルスや細菌の感染によるものですが、これは、体が自ら体温を上昇させて、病原体の活動を弱めようとしているのです。体温の高さが病気の重症度と一致するのではなく、まして、高熱それ自体が脳に影響するのでもありません。熱があっても比較的元気なら、むやみに解熱剤で熱を下げようとはせずに、できるだけ安静にして、こまめに水分を摂取させ、寒気があるときには保温し、熱が上がりきったら冷却してあげてください。
 熱が続いて眠れないときや、水分も充分に摂取できないときは、一時的にでも体を楽にするために解熱剤を使用してもよいと思います。しかし、41℃以上になったり、ぐったりと体を動かさなかったり、熱があるのに青白い顔色だったり、嘔吐を繰り返す発熱の場合は、重篤な病気の可能性もありますので早急に医療機関を受診してください。





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